講演情報
[2K-09]製作実習にみられる男女差
1950-2019年の家庭科の製作実習に関する研究の分析から
〇山中 大子1 (1. 東京学芸大学大)
キーワード:
製作実習、家庭科、男女差
目的 家庭科男女共修後約30年が経過した。LGBTQ等も認知され男女で区別できないことが増えてきている。しかし裁縫=女性というイメージは根強い。本研究では、これまでの家庭科の製作実習研究の結果を総合することで、男女差の実態を検証する。
方法 NII学術情報ナビゲータ(CiNii)を用いて、1950~2019年に公表された405報の家庭科の製作実習に関する研究論文を得た。405報のうち、研究結果において男女差に言及した77報を調査対象とし、製作実習を評価できる5側面(意欲・技能・知識理解・学習効果・生活実践)から男女差の全体傾向を分析した。
結果 家庭科の製作実習に関する研究数は増加傾向にあるが、男女差に言及している研究は1980年代をピークに減少傾向にある。77報の研究結果において、男女差ありが60報(78%)、部分的に男女差あり10報(13%)、男女差なしが7報(9%)であった。男女差なしの結果が得られた研究は、ミシン学習に関するものと、製作方法の理解に関するものであった。一方で、技能(特に手縫い)、手指の巧緻性、興味や意欲、生活実践等に関しては、時代を通じて男女差が報告された。諸側面において年代低下の傾向が見られるが、男女共に学習効果が報告されている。また個人差も大きい。児童・生徒の実態をふまえ、様々な差を乗り越え、ひとりひとりの学びと生活に寄与する家庭科の製作実習実践に繋げることが課題である。
方法 NII学術情報ナビゲータ(CiNii)を用いて、1950~2019年に公表された405報の家庭科の製作実習に関する研究論文を得た。405報のうち、研究結果において男女差に言及した77報を調査対象とし、製作実習を評価できる5側面(意欲・技能・知識理解・学習効果・生活実践)から男女差の全体傾向を分析した。
結果 家庭科の製作実習に関する研究数は増加傾向にあるが、男女差に言及している研究は1980年代をピークに減少傾向にある。77報の研究結果において、男女差ありが60報(78%)、部分的に男女差あり10報(13%)、男女差なしが7報(9%)であった。男女差なしの結果が得られた研究は、ミシン学習に関するものと、製作方法の理解に関するものであった。一方で、技能(特に手縫い)、手指の巧緻性、興味や意欲、生活実践等に関しては、時代を通じて男女差が報告された。諸側面において年代低下の傾向が見られるが、男女共に学習効果が報告されている。また個人差も大きい。児童・生徒の実態をふまえ、様々な差を乗り越え、ひとりひとりの学びと生活に寄与する家庭科の製作実習実践に繋げることが課題である。