講演情報

[2L-02]1920年代における日仏交流からみたファッションプレート(2)ジョルジュ・バルビエが描いたファッションデザイン

〇井上 裕之1、西川 良子1、徳山 孝子1 (1. 神戸松蔭女子学院大学)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

ジョルジュ・バルビエ、アール・デコ・ファッション、ファッション・プレー ト

目的
ジョルジュ・バルビエはアール・デコを代表するイラストレーターである。アール・デコ期に当たる1920年代のファッションはコルセットからの解放が行われ、ストレートなシルエットと極力装飾を排したデザインが特徴とされる。それらは活動的で自立した女性のファッションとして紹介される。一方、バルビエのファッション・プレートに描かれたファッションは、装飾的であり、トレーンなどの非活動的な要素が目立つ。本研究ではその差に着目し、バルビエが描いたファッション・デザインの位置付けについて考察することを目的とした。
方法
「ガゼット・デュ・ボン・トン」誌でジョルジュ・バルビエが描き、なおかつそのファッション・デザインを提供したメゾン名が記載されているファッション・プレートを調査した。デザインは衣服の形態、装飾、色彩について分析をした。バルビエが描いたメゾンとして、「WORTH」、「BEER」、「LANVAN」などが挙げられる。
結果
調査した内容からは、ジョルジュ・バルビエが描いたファッション・デザインは、ストレートなシルエットでありながらも装飾的であり、色彩豊か、そしてトレーンを引くものが多いとわかった。これらはファッション・デザインの変革を迎える中で、パリ・モードの伝統的な価値観を保とうとしたデザインといえる。バルビエのファッション・プレートは、アール・デコ・ファッションの諸相を描いた貴重な資料であるといえる。