講演情報
[2L-05]1960年代の衣生活における男性の家庭着について朝日新聞「水曜洋裁店」を中心に
〇矢澤 郁美1 (1. 梅花女子大)
キーワード:
家庭洋裁、新聞記事、男性用衣類
目的 家庭洋裁は、1950年代ころから衣生活の一端を担っており、家庭着の洋装化に大きな影響を及ぼしたと考える。本研究では、1960年代の男性の家庭着に注目し、1960年代を通して『朝日新聞』で連載された「家庭洋裁」の記事から、家庭と男性の衣生活について考察することを目的とする。
方法 朝日新聞バックナンバーの「水曜洋裁店」(1959年4月1日付~1970年4月29日付掲載)にみられる男性用衣類についての記事を抽出し、種類、素材、用途、縫製技法、難易度等を検討した。
結果 541回掲載された記事のうち、男性用衣類は64件で、年に1~9件が掲載されている。婦人用332件、子ども用149件と比較すると、掲載数は少ない。アイテムの内訳は、シャツ17件、上着15件、ズボン8件、ベスト6件、ガウン6件、甚平5件、その他7件である。囲み製図と共に適した素材、用尺、作り方が記載されている。作り方に関しては、長くても14工程ほどで、簡単な説明になっており、初心者には難しいアイテムも少なくない。「どてら、ステテコに代わる」「おしゃれ」「スマート」「スポーティー」などのキーワードが散見され、変化の少ない男性用衣類に動きやすく機能的かつおしゃれな要素が求められていたことが示された。用途としては、家庭着、くつろぎ着としてだけではなく、ライフスタイルに合わせ、遊び着としても使用できる衣服が家庭洋裁に求められていることが明らかになった。
方法 朝日新聞バックナンバーの「水曜洋裁店」(1959年4月1日付~1970年4月29日付掲載)にみられる男性用衣類についての記事を抽出し、種類、素材、用途、縫製技法、難易度等を検討した。
結果 541回掲載された記事のうち、男性用衣類は64件で、年に1~9件が掲載されている。婦人用332件、子ども用149件と比較すると、掲載数は少ない。アイテムの内訳は、シャツ17件、上着15件、ズボン8件、ベスト6件、ガウン6件、甚平5件、その他7件である。囲み製図と共に適した素材、用尺、作り方が記載されている。作り方に関しては、長くても14工程ほどで、簡単な説明になっており、初心者には難しいアイテムも少なくない。「どてら、ステテコに代わる」「おしゃれ」「スマート」「スポーティー」などのキーワードが散見され、変化の少ない男性用衣類に動きやすく機能的かつおしゃれな要素が求められていたことが示された。用途としては、家庭着、くつろぎ着としてだけではなく、ライフスタイルに合わせ、遊び着としても使用できる衣服が家庭洋裁に求められていることが明らかになった。