講演情報

[2L-06]2010年代のテレビ番組における洋裁の変遷「すてきにハンドメイド」を中心に

〇太田 茜1 (1. 東京家政学院大)
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キーワード:

ソーイング、趣味、ハンドメイド

【目的】令和3(2021)年に行われた社会生活基本調査の結果では、趣味として手芸や裁縫を行うと回答した人は平成28(2016)年の調査から減少している。しかしコロナ禍初期におけるマスク不足を手作りで解消する動きを発端として手芸の再評価が行われ、手芸がブームとなっているといわれている。また、NHK Eテレで放送している「すてきにハンドメイド(旧・婦人百科)」では裁縫が定期的に取り上げられ、様々な衣類の作り方が紹介されている。そこで本研究では本番組の放送で取り上げられている作品に焦点をあて、既製服で衣生活がまかなえる中であえて服を手作りすることについてどのような難易度のものを想定されているのかを検討した。

【方法】NHK出版「すてきにハンドメイド」2010年4月号から2022年3月号の13年分の放送内容を分類し、裁縫の中でも特に衣類をつくるものに着目し、つけられたキャプションの分析を行った。

【結果】この番組はリニューアル直後の週2回から2011年度より週1回の放送となったこと以外に紹介されている作品数にはばらつきがあるが、一貫して年に15件前後~20件近くの服作りを紹介しており、初心者向けとうたっているものからジャケットやピンタックを入れたワンピース、コート等バラエティに富んだ構成であった。このことから現在でも趣味として洋裁をする視聴者は、ある程度高度な作品をつくることが可能だと想定されていると言える。