講演情報

[2M-06]第二次世界大戦後の住まいの管理の変遷『暮しの手帖』第2世紀を対象として

〇藤平 眞紀子1 (1. 奈良女大)
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キーワード:

住居管理、居住者、婦人雑誌、掃除機、第二次世界大戦後

【目的】これからの持続可能な住まいを考えていく上で、住まいの管理はますます重要になると考えられる。本研究では、第二次世界大戦後から現在に至るまでの居住者を主体とする住居管理の変遷をたどり、社会や住宅、暮らし方とともに変化してきた住まいの管理行為、内容を知り、これからの管理のあり方を考察することを目的とする。【方法】住居管理に対する居住者の意識および実践に視点をあて、人々の考え方、社会の様子、時代の流行が表れやすく、生活に影響を与えると考えられる婦人雑誌掲載記事に着目した。本報告では1969年7月から1986年2月発刊された『暮しの手帖』第2世紀100冊を閲覧し、住まいや住生活、家事に関する記事を分析した。【結果】商品テストに特徴をもつ本雑誌において、掃除機について1969年に「掃除機をテストする」、その後1974、76、77、80、84年に掲載されていた。新しい掃除道具である電気掃除機に対する生活者の思いが、メーカーに向けられていた。また、70年代初めにかけて衛生・清潔、70年代前半は掃除・清掃、70年代後半以降は補修・修繕に関する記事が多く、住居管理の目的が変化していたと考えられる。さらに、この時期は家具や棚の製作に関する記事が多く、生活者自身で住環境を整え、維持管理していくための情報が提供されていた。(本研究は科学研究補助金(課題番号:21K02129)の助成を受けて実施したものの一端である。)