講演情報

[2N-01]自由選択気温と環境制御による快適性向上に関する研究

〇山本 睦1、久保 博子1、佐々 尚美2、東 実千代3、磯田 憲生1 (1. 奈良女子大学、2. 武庫川女子大学、3. 畿央大学)
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キーワード:

選択気温、快適性、皮膚温、温冷感

【目的】日本の気候変動20201)によると、年々猛暑日の日数は増加しており、冷房の使用は私たちの生活に不可欠である。本研究では、環境の自動制御による快適性向上を目指し、個人差に着目して、選択気温下と環境制御下における温熱快適性が同等か検討を行った。
【方法】被験者は健康な成人女性10名とし、室温などの温熱環境要素、皮膚温7点・血圧・心拍数などの生理反応、快適感や温冷感などの申告を心理反応として測定した。実験条件は条件A(選択気温条件=好みの環境に室温を自由に選択)、条件B(一定変化条件=プログラムにより条件Aで選択した通りに室温を変化)、条件C(自動制御条件=プログラムにより条件A終了時に選択した室温を120分間維持)の3条件とし、人工気候室で実施した。
【結果】温冷感申告・快適感申告、平均皮膚温には、条件Aと条件Bで有意な差は認められなかった。皮膚温と温冷感申告との相関関係では、手部や足部で相関関係が高くなった。全条件における環境温と室に対する温冷感申告の関係から約25.3℃が快適な環境であると推定されたが、条件Cでは実験初期に不快になる場合も認められたため、環境変化や持続時間については検討が必要であることが示唆された。
本研究は奈良女子大学倫理委員会の承認を受け、科研費(B)22H00951の助成を受けて実施した。
1)文部科学省,気象庁:日本の気候変動2020,2020