講演情報

[3H-02]泥、赤ワイン、カレーのしみ抜きに関する除去理論と効果的手法

〇大矢 勝1 (1. 横浜国立大学)
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キーワード:

洗濯、洗浄理論、しみ抜き機

目的 除去困難なしみ成分として注目される泥、赤ワイン、カレーの3種の汚れの科学的な除去理論を構築するとともに効果的なしみ抜き手法を求めるために、各種しみ成分の分析や種々の条件での洗浄試験を行った。
方法 泥汚れは各種超音波しみ抜き装置による機械力、還元型漂白剤、デンプンのり等を利用した洗浄試験を行い、当て布を変更した洗浄についても検討した。赤ワインとカレーに関しては溶剤、アンモニア水溶液を利用した洗浄を行った。赤ワインに関しては白ワインを利用した洗浄も試験した。ワイン及びカレー汚れでは、測色色差計を用いて得た色情報から洗浄率を算出し、泥汚れではハンドヘルドXRFで求めたSiの割合変化から洗浄率を算出した。
結果 泥汚れの洗浄に対して機械力を利用した洗浄が効果的であること、および漂白処理もある程度の効果があることが確認され、機械的除去(分離型)と溶解型洗浄の併用が効果的であった。赤ワイン汚れは酸素系粉末漂白剤の利用により高い洗浄効果が得られるが、エタノール水溶液(白ワインを含む)の利用で効果が高まった。カレー汚れはウコン色素が主体でありアルカリ条件で変色するが、変色を抑えつつ弱アルカリ条件下での洗浄が有効であると推定された。