講演情報

[3H-03]亜鉛含有アパタイト固溶体粒子のUVカット性能

〇安川 あけみ1、山田 南美1 (1. 弘前大)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

UV遮蔽性能、カルシウムヒドロキシアパタイト、亜鉛、綿布

目的 カルシウムヒドロキシアパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2,CaHap)のイオン交換特性を利用し,Ca2+の一部をUVカット性をもつZn2+に交換した亜鉛―カルシウム固溶体アパタイト(ZnCaHap)粒子を調製し,亜鉛含有量とUV吸収能の関係を調べた。さらに,合成した粒子を綿布に担持して布のUVカット性を調べた。
方法 水酸化カルシウム,硝酸亜鉛六水和物,リン酸を用いた湿式法により,Zn/(Zn+Ca)比の異なる種々のZnCaHap粒子を調製し,得られた粒子の構造と性質をXRD,FE-SEM,UV-vis等により調べた。各粒子を綿布に担持させ,粒子担持前後の布のUVカット性をUV-visで調べた。
結果 一般にHap固溶体(MCaHap)ではMの含有によりアパタイト構造が保てなくなり,アパタイト相と他のリン酸塩との混合物が生成する。ZnCaHapでは最低でもZn/(Zn+Ca)=30までの比較的広い条件で純粋なHap固溶体が得られた。Zn/(Zn+Ca)=0のCaHapは特にUV吸収能は持たなかったが,Za2+が含有するとともに粒子は波長320-400 nmのUVを吸収する性質をもつことがわかった。しかし,Zn/(Zn+Ca)が高くなるとUV吸収能は鈍化する傾向が認められた。得られた粒子を綿布に担持したところ,粒子の性質に呼応して布のUVカット性能が向上することがわかった。