講演情報
[3I-03]有機化合物の吸着によるセルロース系繊維の識別の可能性
〇稲田 文1、金澤 等2 (1. 活水女大、2. 山形大)
キーワード:
有機化合物、吸着、セルロース系繊維
目的 繊維の種類によって臭気成分のつきやすさが異なる(例:羊毛繊維は綿繊維より臭いがつきやすい)。このような繊維やタンパク質などの高分子材料に対する物質の吸着は、互いの分子間相互作用による。しかし、吸着現象は複雑で有り、分子レベルで検討した例はみられない。本研究は、繊維や構造の類似した高分子に対する種々の有機化合物の吸着実験を行い、吸着傾向を分子構造から解釈し、鑑別に応用することを目的とする。本件では、有機化合物の吸着によるセルロース系繊維の識別の可能性を検討した。
実験 1)吸着媒:セルロース系繊維(綿、レーヨン、キュプラ)は、メタノールで抽出後、乾燥した。吸着物質:有機化合物(ベンゼン置換体、アセトニトリル、ジオキサン、DMF、デカンなど)、炭素数の異なるアルコール。2)吸着実験 有機化合物の飽和蒸気に繊維を40℃で24時間吸着させたのち、吸着物質を酢酸エチルで抽出、ガスクロマトグラフィー(装置:島津GC-2025)で分析した。
結果 各セルロース系繊維に対する9種類の有機化合物の混合物からの吸着をおこない、各化合物の吸着量を求めた。その結果、1)綿はDMF、ジオキサンの順に吸着量が多かった。2)レーヨンとキュプラはメタノールの吸着量が最も多かった。2番目に多く吸着した物質は、レーヨンはジオキサン、キュプラはDMFであった。この他の結果も含めて、吸着傾向は蒸気圧以外の因子に支配されると見られた。
実験 1)吸着媒:セルロース系繊維(綿、レーヨン、キュプラ)は、メタノールで抽出後、乾燥した。吸着物質:有機化合物(ベンゼン置換体、アセトニトリル、ジオキサン、DMF、デカンなど)、炭素数の異なるアルコール。2)吸着実験 有機化合物の飽和蒸気に繊維を40℃で24時間吸着させたのち、吸着物質を酢酸エチルで抽出、ガスクロマトグラフィー(装置:島津GC-2025)で分析した。
結果 各セルロース系繊維に対する9種類の有機化合物の混合物からの吸着をおこない、各化合物の吸着量を求めた。その結果、1)綿はDMF、ジオキサンの順に吸着量が多かった。2)レーヨンとキュプラはメタノールの吸着量が最も多かった。2番目に多く吸着した物質は、レーヨンはジオキサン、キュプラはDMFであった。この他の結果も含めて、吸着傾向は蒸気圧以外の因子に支配されると見られた。