講演情報

[3I-05]若者の価値観が化粧行動にもたらす影響Mental Healthへの可能性

〇孫 珠煕1、片岡 美1 (1. 富山大)
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キーワード:

精神的健康・心理的健康、化粧行動、若者の価値観、ファッションセラピー

目的 ファッションセラピー・化粧療法はこころを元気にすることで、Mental Health(以下MH)として注目されている。医療現場では精神科、認知予防へ応用が期待できる。しかしその有効性を客観的に示す指標は簡単ではない。孫・馬場(2016)は「若者の価値観が被服行動に及ぼす影響」について、被服がもたらすMHの可能性をアンケート調査により明らかにした。積極的で承認欲求が高い若者ほど「被服行動」に関心が高かった。一方、被服に無関心な若者も多くいた。本研究では、前報に続き「若者の価値観が化粧行動にもたらす影響」について明らかにする。
方法 対象者は男女大学生263名(男子152名、女子111名)。調査時期は2019年7月。調査項目は『価値観』23項目(6件法) 、『化粧行動』女子28項目・男子22項目(6件法)。分析はIBM SPSS 25.0Jを用いた。
結果 『価値観』は因子分析により4因子が抽出され、得られた因子得点をもとに4群に類型化された。女子の化粧意欲は比較的高い。CL4(消極的でネガティブな群)は化粧への意欲が少なく、ヘアケアやスキンケアにこだわっていないことが分かった。男子は女子と比べて化粧意識は低かった。CL2(積極的でポジティブな群)の方が自分の外見を良くしよう、と美意識が高かった。以上、化粧行動は消極的な気持ちを前向きにする可能性が示唆され、MH にも活かされると期待できる。