講演情報
[3J-05]ヒトのライフステージを考慮した運動パターンがマウスの生体に及ぼす影響オーバートレーニングを引き起こす要因に着目して
〇竹下 温子1、鈴木 貴子1、藤雄 まどか1 (1. 静岡大)
キーワード:
長期の習慣的運動、ライフステージ、オーバートレーニング
【目的】習慣的な運動の獲得が目指されている昨今、「長期間の運動効果」における検証は重要となる。しかしヒトでは多くの要因が存在し、運動そのものの評価が難しい。そこで我々は、げっ歯類を用いて、ヒトのライフスタイルを考慮した運動パターンを設定し、腸内細菌叢からその効果を探ってきた。その中で、持続的に運動を行っているEx群の結果が、既報と相反した。そこで本研究では、Ex群で得られた既報とは異なる「生体応答」が、身体にどの様な影響を及ぼしているのか明らかにすることを目的とした。【方法】A/Jマウス5週齢の雌を、非運動(Se)群、運動(Ex)群の2群、さらに途中から運動開始(S-Ex)群、運動停止(Ex-S)群、3日おきに運動(Ex-A)群の3群の計5群に分け、24週間飼育を行った。解剖後、肝臓、赤筋、白筋からRNAを抽出し、cDNAを合成後、Real-time PCRにて、糖・脂質代謝やOver Trainingに関連する遺伝子発現量の測定を行い、比較検討した。【結果及び考察】Ex群のOver Trainingの可能性を探るために、肝臓中脂質量やATF6、また筋萎縮に関連するAtrogin1およびMuRF1について検討したが、他の群と有意な差は得られなかった。よって低栄養やOver Trainingの可能性よりもむしろ、運動が身体に順応した可能性が示唆された。当日は、現在進めている解析結果も併せて報告する。