講演情報

[3K-08]小・中・高校・大学における多様性に関する授業

〇大藪 千穂1 (1. 岐阜大)
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キーワード:

多様性、家族、全校種

目的 現在、家族の形が多様化する中で、教科書だけでは、現状を説明することが難しい。本研究では、現在の家族について明らかにし、家族の現状や問題について知り、これからのよりよい家族のあり方について考えていくきっかけとなる教材を開発し、小学校・中学校・高等学校・大学で授業案のベースが同じ授業を実践し、家族に関する考え方にどのような変化が生じたかを分析することで、今後の家族の授業の可能性について明らかにすることを目的としている。
方法  多様な家族と役割、LGBTQ+に関する授業案として、小学校から大学まで同じベースのものを用いた。対象は、小学6年生2校75名、中学3年生94名、高校1年生37名、大学1校115名である。プリントの内容をキーワードによって分析した。
結果 実践後、以下の3点が明らかとなった。まず全校種において、小・中学生でも多様性を受け入れようとする記述が多く効果が見られ、内容が理解できていた。次に1時間という時間的制約がある中でも、授業前後で、家族観が大幅に変化したことから、家族・性別役割・性の3つの視点から、多様性について学習し、受け入れられるようになった。ただし小・中生は時間が必要である。小学校では、授業後も差別的な言葉、行動が見られたが、知るだけでなく、学び、自分の中でじっくり考える時間が必要である。今後は道徳、算数、社会など他の教科との連携授業によってより内容を深めることが可能と考える。