講演情報
[3M-3]コロナ禍での家庭科の授業に対する中学生と家庭科教師の意識
〇安東 英里佳1、吉川 はる奈1、武田 真由佳1 (1. 埼玉大学)
キーワード:
中学生、体験的な学習、家庭科
<問題と目的>中学校学習指導要領(平成29年告示)では、技術・家庭科家庭分野は「生活の営みに係る見方・考え方を働かせ,衣食住などに関する実践的・体験的な活動を通して,よりよい生活の実現に向けて,生活を工夫し創造する資質・能力」の育成を目指す。小学校での学習を踏まえ、実践的・体験的な学習活動を通して、生活の自立に必要な家族・家庭、衣食住、消費や環境に関する「知識及び技能」を身に付けることが求められる。本報告では2019年以降コロナ下での家庭分野の授業を通して授業者や中学生が抱いた意識の特徴や、授業実践例の特徴を明らかにする。<対象と方法>中学校家庭科教員2名に半構造化面接によるインタビュー、中学生183名に質問紙調査。<結果>コロナ下で実習の多くが中止や変更を行った。調理実習は短時間調理や簡易調理等に変更して実施、幼児との「触れ合い体験」は中止せざるを得ない状況にあった。教師は感染症対策で時短調理等に変更する等したが、調理の難易度が下がることには不安を抱いていた。中学生では、男女共60%が動画やオンライン等を使用する学習機会が増加したのは嬉しいと回答し、家庭分野に関する知識やスキルが身についたと回答したのは男子89%、女子97%であった。授業実践「オンラインふれ合い体験」の事後調査では、直接的なふれ合いが望ましいと感じながらも、オンラインならではのよさに触れる記述もみられた。