講演情報
[3N-7]寮の食事の放射線量について
〇影山 志保1、諸岡 信久1 (1. 郡山女子大学)
キーワード:
放射線、食事、セシウム
「目的」東日本大震災から12年が経過した。現在、帰還困難区域を除く区域の避難指示が徐々に解除されており、食べ物の放射線量に対する意識も薄らいでいる。このことから、本研究では食事の放射線量を報告する。「方法」試料を2021年4月から10月に郡山開成学園の寮の食事、451品目を採取した。品目ごとに試料を専用容器に詰め、2480WIZARD2NaIシンチレーションガンマーカウンター(Perkin Elmer)で1時間測定した。分析核種はK-40、I-131、Cs-134及びCs-137である。「結果」寮の食事451品目のK-40の平均値及び標準偏差は23±35Bq/kg(最大値234Bq/kg)、I-131の平均値及び標準偏差は3±2Bq/kg(最大値9Bq/kg)、Cs-134の平均値及び標準偏差0±0Bq/kg(最大値2Bq/kg)、そしてCs-137の平均値及び標準偏差は4±5Bq/kg(最大値55Bq/kg)であった。K-40は自然放射線であり、I-131とCs-134の半減期はそれぞれ8日および2年であることから、現在、汚染の主体はCs-137である。寮の食事では、味のり55Bq/kg、青のり42Bq/kg及びふりかけ22Bq/kgなどの乾物などでCs-137が高い傾向にあった。 また、サニーレタスやサラダ菜などの生野菜はCs-137の検出頻度が高く、ゆでた野菜からは検出されなかった。