講演情報
[P-007]スクレログルカンのゲル化剤としての利用に関する研究
〇初鹿野 嬉子1、古田 絢裟2、矢口 朋恵1、新田 陽子1 (1. お茶の水女大、2. 岡山県立大)
キーワード:
ゲル化剤、β-グルカン、破断試験
目的 スクレログルカン(Sclg)は,糸状菌Sclerotium rolfsiiが産生する多糖類であり,過去に食品添加物として使用されていたβ-グルカンである.最近,Sclg水溶液を4℃で20時間以上放置すると,ゲルを形成することが判明した.そこで本研究では,Sclg粉末からゲル化成分の抽出・精製を行い,そこから作製されたSclgゲルの特性の解析を行うことを目的とした.
方法 Sclg粉末を水に分散させた後,高温加圧抽出,エタノール沈澱,限外濾過,凍結乾燥によってゲル化成分の抽出・精製を行ない,ゲル作製用サンプルとした.これを用いてSclgゲルを作製し,ゲルの圧縮破断試験時の破断応力,破断歪,ヤング率について,濃度依存性,加熱温度依存性を調べた.また,糖を添加することによるSclgゲルの物性の変化についても調べた.
結果 抽出・精製によって,全糖量が90%を超えるゲル作製用サンプルが得られた.ここから作製されたSclgゲルは常温では融解するものの,4℃ではゲル状態を維持していた.4℃でのSclgゲルの破断試験において,破断応力,ヤング率は濃度が高くなるにつれて増加し,真の破断応力の値は濃度の1.8乗に比例することがわかった.また,破断試験の結果から,Sclgゲルは寒天ゲルよりも破断歪の大きいしなやかなゲルが形成されると考えられた.また,Sclgゲルは他のゲル化剤同様,糖を添加することでゲル強度が高められた.
方法 Sclg粉末を水に分散させた後,高温加圧抽出,エタノール沈澱,限外濾過,凍結乾燥によってゲル化成分の抽出・精製を行ない,ゲル作製用サンプルとした.これを用いてSclgゲルを作製し,ゲルの圧縮破断試験時の破断応力,破断歪,ヤング率について,濃度依存性,加熱温度依存性を調べた.また,糖を添加することによるSclgゲルの物性の変化についても調べた.
結果 抽出・精製によって,全糖量が90%を超えるゲル作製用サンプルが得られた.ここから作製されたSclgゲルは常温では融解するものの,4℃ではゲル状態を維持していた.4℃でのSclgゲルの破断試験において,破断応力,ヤング率は濃度が高くなるにつれて増加し,真の破断応力の値は濃度の1.8乗に比例することがわかった.また,破断試験の結果から,Sclgゲルは寒天ゲルよりも破断歪の大きいしなやかなゲルが形成されると考えられた.また,Sclgゲルは他のゲル化剤同様,糖を添加することでゲル強度が高められた.