講演情報

[P-066]天然色素によるリヨセル、PLA/綿の染色

〇長嶋 直子1、内田 有紀1、丸地 史恵1、山根 理紗子1 (1. 金城学院大)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

天然色素、リヨセル、ポリ乳酸繊維、染色、エコフレンドリー、染色堅ろう度

目的 ビワの葉抽出液を用いて、再生繊維リヨセル、生分解性合成繊維ポリ乳酸繊維(PLA)と綿の混紡布に対する染色性と堅ろう性を検討した。
方法 用いるビワの葉は、水に対し1、5、10、20%とし、90℃で60分間色素を抽出した。浴比1:100、90℃、60分および120分でリヨセル、PLA/綿を染色した。媒染の効果を知るため、種々の濃度の硫酸アルミニウムカリウムを用いて先媒染した。それぞれの染色布を測色し、L*a*b*表色系のa*b*色度図で色相を調べ、クベルカムンク式よりみかけの表面色濃度を求め、トータルK/S値で染色布の濃淡を比較した。JISに既定の染色堅ろう度試験に準拠して試験を行い、染色布の消費性能を検討した。
結果 染色布の色相は、リヨセルは+b*値が大きく黄色となり、PLA/綿は+b*に加えて+a*の値が増加し、赤味が強くなった。抽出液にはアントシアニン、カロテノイドなど複数の色素および夾雑物が混在している。そのため、繊維基質によって、収着可能な色素が異なり、染色布の色相が異なったと推察される。また、先媒染布に比べ未媒染の方がトータルK/S値が高く、濃色であった。洗濯に対する堅ろう度(変退色)以外は、JIS L4107一般衣料品の参考値を満たしていた。また、汗に対する堅ろう度(変退色)は、リヨセル、PLA/綿ともに赤味が増す傾向が見られた。