講演情報

[P-067]仙台地方の染型紙のデジタルアーカイブス帆前掛け用染型紙のデジタル化について その3

〇川又 勝子1、佐々木 栄一2 (1. 東北生活文化大、2. EHS高材研)
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キーワード:

型染め、染型紙、帆前掛け、デジタルアーカイブ

目的 かつて仙台地方は印染の一大産地であり、印半纏や帆前掛けの染色が行われていたが、戦後の生活様式の変化によりその生産は激減した。本研究では、仙台市内の染色工場から寄託された印染型紙の中から「帆前掛け」染色に用いられた染型紙の調査・分類を行い、型染めデジタルアーカイブ構築に取り組んだ結果の一部を報告する。
方法 調査対象の染型紙は武田染工場(仙台市若林区)から寄託された帆前掛け用染型紙381枚である。これらの資料について、①染型紙のドライクリーニングとフラットニング、②数量調査、③写真記録、④資料計測、⑤文様調査、⑥スキャニングを行った。
結果 今回調査した染型紙のうち、長辺寸法74.1~76.0cm×短辺寸法48.1~50.0㎝の染型紙が92.1%と多数を占めたが、文様部分の寸法ではばらつきが見られた。発注主の地域を文様から分類したところ、25都道府県にわたった。その中でも青森県18.9%、北海道18.4%と二つの道県の業者等から発注された帆前掛けが4割弱を占めた。一方で、関西・中国・九州地方の業者等の染型紙も3.7%見られ、仙台で日本各地の帆前掛けが製造されていたことが示された。また、業種を分類したところ、青果物商24.9%、加工食品関連12.6%、鮮魚海産物関連10.5%などであった。 本研究はJSPS科研費19K02378および22K02101の助成を受けて行った。