講演情報

[P-068]食用色素を活用した電子レンジ染色STEAM教育動画「緑色の科学」の制作

〇都甲 由紀子1、雨宮 敏子2 (1. 大分大学、2. お茶の水女子大学)
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キーワード:

電子レンジ染色、食用色素、緑、STEAM教育

目的 青と黄色の混色で緑色にする事例は身近にもあることを紹介し,その科学的背景を解説することがSTEAM教育につながると考え,主に中学生を対象とする教材動画「緑色の科学」を制作することを目的とした。
方法 1.緑色に見えるものの写真と色素物質に関する資料を集めた。2.食用青色1号と黄色4号,クチナシ青液体染料とクチナシの実を用いて羊毛のフェルトボールに対する染色性を調べた。スマートフォン対応型小型分光測色計Spectro1TMで測色した。 3.集めた写真や資料,染色実験で定めた染色条件をもとに動画教材を制作した。
結果 1.緑色のものとして、木の葉、野菜、かぼす、シチトウイ、緑色の肌をしたタラ菩薩、菓子や服を取り上げた。2.羊毛フェルトボールは食用青色1号と黄色4号を混合し、酸性にした染液で電子レンジ染色をすることで鮮やかな緑色に染まった。クチナシの実の抽出液で直接染色したあと、アルミニウム媒染後にクチナシ青染料原液で電子レンジ染色をして一日浸漬したままにすることで、オリーブグリーンになった。3.緑色に見える植物や菓子を紹介し,緑色が見える理由,青と黄色を重ねて食用色素で染色する方法,色の測り方等を紹介した動画教材を制作した。緑色で表現をして、それを再現するには、色素の科学的性質を応用した染色の技術開発や,数値を用いた科学的な分析も背景にあることを伝えた。今後は、この動画を用いた教育実践を行っていきたい。