講演情報
[P-072]一般家庭で使用された洗濯機の各部品表面と洗濯後綿布における菌叢比較調査
〇奥田 裕暁1、橋本 稜知1、松村 吉信1,2 (1. 関西大学、2. 関西大学 ORDIST)
キーワード:
洗濯機、菌叢、バイオフィルム
目的:洗濯後の衣類からの不快臭が多くの家庭で確認されている。この不快臭は、皮脂や汗などの汚れを微生物が代謝することで発生すると報告されている。これまでの我々の研究で、一般家庭の洗濯後綿布・洗い水の細菌叢解析を行い、綿布のみから検出される衣類に付着しやすい菌の存在を示した。今回は、衣類に付着する菌の由来調査を目的として、洗濯機内の各部品表面とその洗濯機で洗濯した綿布の細菌叢解析を行い、それらの菌叢を比較した。方法:一般家庭で7~10年間使用された洗濯機4台を解体した。取り出した各種部品の表面からはスワブ法で、洗濯後綿布からはストマッカー法で微生物細胞を採取した。16S rRNA遺伝子配列による微生物叢解析はRepertoire Genesis社の16S rRNA 菌叢解析サービスに委託し、OTU解析はNGS用解析ソフトCLC Genomics Workbenchを使用した。結果:洗濯機部品、洗濯後綿布の細菌叢解析を行った結果、各部品からは属ベースで30~140種類が検出された一方で、洗濯後綿布からはSphingomonas属、Paracoccus属、Enhydrobacter属、Micrococcus属細菌等の通常土壌や水環境中に生息する菌種が頻度・割合共に高く検出されていた。また、各部品と洗濯後綿布との菌叢に共通点は見られなかった。今後、それらの衣類付着機構について調査し、非付着技術の開発を行う予定である。