講演情報
[P-075]トレンドファッションと健康重心動揺に着目して
〇伊豆 南緒美1、吉川 風菜1、佐藤 真理子1 (1. 文化学園大学)
キーワード:
重心動揺、ファッション、トレンド
目的 ヒトは,無意識下でバランスを保つ平衡機能を有しており,バランスを保ちながら,立つ,座る,歩く等の動作を巧みに行っている.身体のバランスに,ファッションは大きな影響を及ぼすと考えられ,その程度いかんでは健康への害も危惧される.しかし,ファッションを重心動揺から考察した例は少ない.本研究では,ファッションの変遷から代表的なトレンドスタイルをいくつか選択し,その着用が重心動揺に及ぼす影響を明らかにすることで,ファッションと健康性・快適性についての考察を試みた. 方法 健康な若年女性10名を対象に,重心動揺測定及び衣服重量からclo値の算出を行った.着衣条件は,1980年代のボディ・コンシャススタイル,1990年代のアムラースタイル,2000年代のロリータスタイル,被験者が日常的に着用している日常着の4種である.重心動揺では,95%信頼楕円面積,総軌跡長,COP最大範囲(前後/左右),COP平均位置(前後/左右)について検討し,統計処理として一元配置分散分析を行った. 結果 重心動揺の総軌跡長において,ボディ・コンシャススタイル及びアムラースタイルの値が有意に大,立位静止時のふらつきが大きく,被験者の日常着では,値の小さい傾向が示された.衣服の締め付けや動作,ヒール高が関わると考えられ,今後,個々の要因の追求と共に,流行と健康の関係を巨視的に捉えるべく,重心動揺以外の計測項目の検討をはかりたい.