講演情報
[P-077]19世紀後半ニューヨークにおける衣生活の衛生向上ー絞り機と石鹸の浸透-
〇小町谷 寿子1 (1. 名古屋女大)
キーワード:
19世紀、米国、既製服、絞り機、石鹸、衛生
目的 アメリカの既製服産業は,南北戦争の軍服や軍用コートの高価格買取りの特需で転換期を迎えた.また,鉄道網の急速な発達で物流が活性化され,人々の生活水準が向上し,更なる衣服需要の高まりにつながった.本研究では,既製服と大衆の衛生面の向上との関係を捉えるべく,その指標として軽衣料の浸透と絞り機(wringer)と石鹸(soap)に着目して動向分析を試みた.
方法 絞り機と石鹸の衣生活へ浸透度合いを捉えるべく,新聞広告による調査を実施した.調査対象は,The new york times (1851.9.18-1900.3.31)である.また衣生活への量的な浸透をみるため,1850年に始まったアメリカによる産業を対象とした統計調査として,American industry and manufactures in the 19th century, vol.5-17による分析をした.
結果 当時の新聞広告によれば,1852年に既製服としていち早くシャツの広告が掲載され,1855年にはシャツの定価販売が2ドル程度からはじまり,市場に広がった.これらは綿や麻製であり,家庭で洗濯することができる.1864年に絞り機が集中的に掲載された.その後,1888年頃から家庭用石鹸が使われる場面が広告においても日常風景として描かれ,衣類をいためず汚れが落ちる点が説明された.軽衣料既製服の浸透で洗濯が日常的になり,衛生面の向上につながったと考える.
方法 絞り機と石鹸の衣生活へ浸透度合いを捉えるべく,新聞広告による調査を実施した.調査対象は,The new york times (1851.9.18-1900.3.31)である.また衣生活への量的な浸透をみるため,1850年に始まったアメリカによる産業を対象とした統計調査として,American industry and manufactures in the 19th century, vol.5-17による分析をした.
結果 当時の新聞広告によれば,1852年に既製服としていち早くシャツの広告が掲載され,1855年にはシャツの定価販売が2ドル程度からはじまり,市場に広がった.これらは綿や麻製であり,家庭で洗濯することができる.1864年に絞り機が集中的に掲載された.その後,1888年頃から家庭用石鹸が使われる場面が広告においても日常風景として描かれ,衣類をいためず汚れが落ちる点が説明された.軽衣料既製服の浸透で洗濯が日常的になり,衛生面の向上につながったと考える.