講演情報

[P-087]小学校教員の防災教育に対する意識と授業における取組

〇正岡 さち1、水原 宇仁2 (1. 島根大、2. 広島市立美鈴が丘高等学校)
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キーワード:

防災教育、小学校、教員、意識、自然災害、中国地方

【目的】近年、日本では多くの自然災害が発生している。そこで、小学校教員の防災・減災教育に関する意識や授業の取組を把握し課題を明らかにすることで、防災教育の発展に寄与することを目的として研究を行った。なお、本研究では、防災・減災教育をまとめて「防災教育」と表現する。【方法】対象は広島県・山陰地域(島根県・鳥取県)の小学校教員。調査期間は令和2年8月~10月、郵送による配布・回収。配布数1254部、回収数376部、回収率30%である。【結果】(1)防災教育の実施率は約90%と高かったが、教員歴が0~9年の教員の実施率が低く、地域別では広島県で実施率が高かった。(2)扱った災害は、地震、土砂災害、浸水洪水が多かったが、山陰では地震、広島県では土砂災害・浸水洪水が多く、地域差が認められた。(3)防災教育に対する意識では、重要と考えているものの、準備時間や知識・指導力の不足を感じていた。広島県では地域の災害や災害文化を扱うことの割合が高く、山陰では研修不足の割合が高かった。(4)内容は自然災害の基礎や自分自身の命を守ることが多く扱われていた。一方、災害後の事や体験学習等の準備に時間がかかる内容はあまり扱われていなかった。(5)授業の工夫では、教材や資料の工夫が最も多く、体験活動や他教員・地域と連携は少なかった。(6)研修の充実、教材の充実、他教員や地域との連携体制の整備が今後の課題であろう。