講演情報

[P-088]住まいの防犯に関する研究防犯教育のために

〇金 貞均1、猿渡 悠矢2 (1. 鳴門教大、2. 岡山大)
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キーワード:

住まいの安全性、防犯、防犯教育

目的 住まいの備える条件のうち一番大事なものは,人の命や財産を守るシェルターとしての機能「安全性」である。しかし人為的災害である「侵入窃盗」は近年減少傾向にあるものの,未だに多くの住宅が被害に遭っており,対策が必要である。本研究では安心安全な住生活に欠かせない住まいの防犯についての課題を明らかにし,学校現場で実践できる防犯教育について検討した。
方法 関連研究や文献等を通して,住まいの防犯及び対策について考察したうえ,大学生を対象に「住まいの安全・防犯」に関する知識や自宅の防犯状況などの実態を調査し(令和3年7月実施,73名),住教育の課題を明らかにした。
結果 住まいを犯罪被害から守るため,建物や街路の物理的環境の設計により犯罪を予防する防犯環境設計が求められる中,個々人の防犯意識の向上やまち全体を通した防犯対策の重要性が浮かび上がった。実態調査では,自宅の出入り口付近や窓の対策が不十分で,防犯ガラスや防犯砂利の実施率が約3割,半数が戸締まりをせずゴミ出しをするなど,住宅の防犯状況や防犯意識の低さが確認された。中学校家庭科教科書には防犯に関する内容も分量も格段と少なく,授業での取り扱いも不十分で,7割以上の学生が家庭科住居領域で防犯について学んだ記憶がない現状であった。実感を伴う効果的な授業実践のために,住宅模型を用いたグループワーク,ICTを用いた調べ学習,防犯まちづくりワークショップの教材を考案した。