講演情報

[2B-01]土筆の部位別における栄養・機能性成分の分析

*森下 雄太1、君島 李奈1、瀧澤 沙良1、代 陽菜1、永岡 里菜1、西村 実紗1、綾部 園子1、村松 芳多子1 (1. 高崎健康福祉大)

キーワード:

つくし、カロテノイド、一重項酸素消去脳、遊離アミノ酸、ポリフェノール

目的 土筆(つくし)は春の山菜の一つで、佃煮や天ぷらとして食されてきたが、近年は喫食機会が減少している。日本食品標準成分表に収載され、いわゆる緑黄色野菜と分類されるが、詳細な栄養・機能性成分の分析は十分ではない。本研究では、つくしの部位別に栄養・機能性成分を分析し、その特性を検証するとともに、アンケートにより認知度を調査した。
方法 山形県と長野県産のつくしを購入し、袴を除去後、胞子部・茎部に分け、-80℃で保存した。測定項目は、カロテノイド、ビタミンE、遊離アミノ酸、フェノール酸類、一重項酸素消去能(SOAC)、総ポリフェノール量とした。アンケートではつくしが野菜類であることを「知っている」「知らない」の2群に分けクロス集計しカイ二乗検定を行った。
結果 総ポリフェノール量は胞子部952 ± 796 mg、茎部479 ± 289 mg GAE/100 g FWであった。特徴的なポリフェノールはフェルラ酸またはシナピン酸であった。SOAC値は全体で7.3 ± 3.0 mmol α-Toc/100 g FWであった。遊離アミノ酸はアルギニンが多く、胞子部538–683 mg、茎部5.7–6.2 mg/100 g FWであった。β-カロテン量は胞子部15.2 ± 2.79 µg、茎部4.9 ± 1.4 µg/100 g FWと低値であり、いわゆる緑黄色野菜の定義には及ばなかった。つくしを野菜と知っている群は、緑黄色野菜に分類されることや別名スギナの認知度も高かった。