講演情報

[2B-03]ピシフェリン酸の不安様症状への有効性の検討

*柴田 紗知1、山脇 葵2、髙山 健人2、萱島 知子3、今 重之2 (1. 岡山県立大、2. 福山大、3. 佐賀大学)

キーワード:

ピシフェリン酸、ストレス、Iba1

【目的】 過度のストレスによって生じるうつ病や不安症の患者数は増加傾向にあり、深刻な問題となっている。我々は、植物由来成分や食品由来成分による有効性の検討を進めている。本研究では拘束ストレスモデルにおけるピシフェリン酸の抗ストレス効果と腸内細菌叢への影響について検討した。【方法】 BALB/cマウスを用いた拘束ストレスモデルで検討した。ピシフェリン酸を一定期間投与し、その後10日間連続で1 日 3 時間の拘束処置を行った。飼育期間中には、体重変動やオープンフィールド試験等の行動科学試験を実施した。飼育終了後には血液や各種臓器を回収し、病理解析等を行った。腸内細菌叢の変化についてはメタ16S解析を行った。【結果・考察】 体重変動を評価した結果、拘束群(拘束処置+ピシフェリン酸非投与)では対照群(拘束処置なし+ピシフェリン酸非投与)と比較して体重が減少したが、ピシフェリン酸投与群(拘束処置+ピシフェリン酸投与)では体重減少を抑制した。また、強制水泳試験では拘束群は対照群と比較して不動時間が増加したが、ピシフェリン酸投与群では不動時間の増加を抑制した。また、腸内細菌の多様性解析では、拘束群は多様性が減少したのに対し、ピシフェリン酸投与群では多様性の減少を抑制した。以上の結果から、拘束ストレスに対してピシフェリン酸は不安様症状へ有効に作用することが明らかになった。