講演情報
[2C-01]小学生の基礎縫いにおける視線移動と習熟度の関係
*横山 真智子1、伊藤 千紘1 (1. 三重大)
キーワード:
視線計測、裁縫技能、思考過程
【目的】視線計測システムは,熟練者と初心者の視線移動を分析し,短時間で技能を習得することなどを目的に導入されている。本研究では,小学生が基礎縫いの技能を習得する過程における視線移動の特徴と習熟度の関係について検討する。
【方法】研究対象は,国立A大学附属小学校5年生の男児1名である。2024年5月下旬から6月中旬にかけて,家庭科の授業中にメガネ型の視線解析装置(株式会社ガゾウGT6)を使用し,手縫い時の視線データ(瞳孔の中心座標,瞳孔径,瞬き,注視点の座標)を収集した。得られたデータをもとに,特定の時間の総移動距離,1秒間の平均移動距離,注視回数等を算出した。
【結果】玉結びにおいては,回数を重ねるにつれて,かかる時間と視線の総移動距離が短くなった。なみ縫いで2針縫う間の動きを抽出したところ,作業時間は徐々に短くなった。玉結び,玉どめともに,瞳孔径の最大値は,初めは大きく習熟するにつれ小さくなった。玉どめでは「針を置く位置と針の向きに迷っている場面」「布から糸が出ているすぐそばに針を置くことを意識している場面」で視線が停留(0.165秒以上視線移動0)した。縫い方を考えたり悩んだり,集中したりしているときは視線が停留することが明らかとなった。しかしながら,習熟し,順調に作業している場面においても,視線停留時間が長くなることがあった。習熟するにつれ,視線の総移動距離が短くなる傾向が示唆された。
【方法】研究対象は,国立A大学附属小学校5年生の男児1名である。2024年5月下旬から6月中旬にかけて,家庭科の授業中にメガネ型の視線解析装置(株式会社ガゾウGT6)を使用し,手縫い時の視線データ(瞳孔の中心座標,瞳孔径,瞬き,注視点の座標)を収集した。得られたデータをもとに,特定の時間の総移動距離,1秒間の平均移動距離,注視回数等を算出した。
【結果】玉結びにおいては,回数を重ねるにつれて,かかる時間と視線の総移動距離が短くなった。なみ縫いで2針縫う間の動きを抽出したところ,作業時間は徐々に短くなった。玉結び,玉どめともに,瞳孔径の最大値は,初めは大きく習熟するにつれ小さくなった。玉どめでは「針を置く位置と針の向きに迷っている場面」「布から糸が出ているすぐそばに針を置くことを意識している場面」で視線が停留(0.165秒以上視線移動0)した。縫い方を考えたり悩んだり,集中したりしているときは視線が停留することが明らかとなった。しかしながら,習熟し,順調に作業している場面においても,視線停留時間が長くなることがあった。習熟するにつれ,視線の総移動距離が短くなる傾向が示唆された。