講演情報

[2C-02]すごろくで学ぶ環境配慮衣生活

*大矢 幸江1、薩本 弥生1 (1. 横浜国立大)

キーワード:

環境に配慮した衣生活意識、すごろく、衣生活自立

目的:国連サミットで採択されたSDGsは学校教育でも取り上げられ、生徒一人ひとりに意識させたい課題である。しかし、衣生活に関する理解は表層的で、単に3Rの取り組みをすることと認識している生徒が多い。本研究では服の生産から廃棄段階までの課題や環境配慮についてすごろくを通して学び、衣生活の自立を促すとともに、すごろく教材の効果を検証することを目的とする。
方法: 公立中学1年生、2校の私立女子中学校2年生の全3校241名を対象に、開発した「服の一生すごろく」を用いて環境配慮衣生活授業を行った。授業前後のアンケート調査とすごろく実践時のワークシートを解析し、自立した衣生活を促す要因と授業の効果を検証した。
結果:衣服の購入時に公立校生は価格を最も重視するのに対し、私立女子校生はデザインであった。3校ともリサイクルへの意識はあるものの、ボタン付け等の補修の実践は低かった。事前と比較し多くの設問で事後は有意に環境配慮意識が高まった。因子分析から「衣生活自立」「環境配慮意識行動」「着回し配慮」「リサイクル行動」「資源配慮」などが抽出され、これを元に共分散分析を行ったところ、事前の「環境配慮意識行動」から事後の「リサイクル行動」「資源配慮」が高まり、さらに事後の「衣生活自立」を高める効果が明らかとなった。自由記述では自分にも改善できることがたくさんあること、様々な行動の選択肢があること、3Rを身近に感じた等が記述された。