講演情報
[2C-03]家庭科教育における被服製作実習の簡易化
*伊東 奈々1、髙橋 由子2、田中 淑江2 (1. 國學院大、2. 共立女大)
キーワード:
家庭科教育、被服製作実習、学習指導要領
目的 家庭科教育における被服製作実習では,実習時間の確保が課題である.とりわけ2単位科目である高等学校の家庭基礎では学習指導要領に「被服の計画・管理に必要な技能」としか実習の根拠となりうる記述がなく,並縫いやボタンつけ程度の簡単な実習しか行わない場合も多い.被服製作実習の意義や目的が変化している一方で,実際の実習内容は従来の実習を簡易化するだけにとどまっている.そこで,これまでの被服製作実習の内容を整理し,今後の被服製作実習の展開について考察した.
方法 1947年から現在までの小学校・中学校・高等学校の学習指導要領に示された実習題材の変遷を分析した.また,学習指導要領に記載のない期間については,教科書の実習例や家庭科教材のカタログにみられる例をもとに調査した.
結果 当初,被服製作は必須の生活スキルとして多くの授業時間を割いて扱われていたが,既製服の普及・男女共修化・授業時間数の縮減などの影響を受けて,最も基礎的なレベルにまで簡易化されてきていることが読み取れた.短い授業時間しか確保できない場合でも満足感のある実習にするために「半縫製済み」などの加工済み製作キットも利用されているが,基礎縫い技能の習得に主旨を置いた学習になりやすく,深い学びになりにくいと考えられる.今後の被服製作実習は現代の衣生活の実情を踏まえ、技能の習得に限らない実習目的に基づいた在り方を幅広く模索していく必要があるのではないか.
方法 1947年から現在までの小学校・中学校・高等学校の学習指導要領に示された実習題材の変遷を分析した.また,学習指導要領に記載のない期間については,教科書の実習例や家庭科教材のカタログにみられる例をもとに調査した.
結果 当初,被服製作は必須の生活スキルとして多くの授業時間を割いて扱われていたが,既製服の普及・男女共修化・授業時間数の縮減などの影響を受けて,最も基礎的なレベルにまで簡易化されてきていることが読み取れた.短い授業時間しか確保できない場合でも満足感のある実習にするために「半縫製済み」などの加工済み製作キットも利用されているが,基礎縫い技能の習得に主旨を置いた学習になりやすく,深い学びになりにくいと考えられる.今後の被服製作実習は現代の衣生活の実情を踏まえ、技能の習得に限らない実習目的に基づいた在り方を幅広く模索していく必要があるのではないか.