講演情報
[2D-01]本藍染めを行った綿織物の実使用を想定した色落ちと色移りへの影響
*髙橋 佑紀世1、柳瀬 友香1、鶴永 陽子1、高橋 哲也1 (1. 島根大)
キーワード:
本藍染め、色落ち、色移り
「目的」
伝統的な本藍染めは、色落ちがし易いことが知られている。そこで本藍染めを行った綿織物について染色堅牢度試験を行い、その色落ちや綿白布への色移りに関する評価を行った。また、実使用時の色の落ち着きを高めるため、使用前に繰返し洗濯を行って色素を除去した場合の染色堅牢度についても評価した。
「方法」
繰返し洗濯実験(浴比1:50、1:20)、人工汗試験、摩擦試験を行った染色布と未染色布である綿白布に対して、反射率スペクトルとグレースケール評価を行って染色堅牢度を評価した。
「結果」
染色布に対する反射率スペクトル(波長:422nm)を調べたところ、繰返し洗濯後(浴比1:50)の染色布では洗濯前の反射率は88.3%であったものが、洗濯回数を1回から20回まで増やすと14.2%から17.1%へと高くなった。また、色移りでは摩擦試験の場合が最も著しく、摩擦10回から100回まで増やすと綿白布の反射率が82.2%から74.4%と低下した。さらに、グレースケール評価では、繰返し洗濯後(浴比1:50)での染色布については、洗濯10回までの場合は4級以上を示した。人工汗試験での染色布については、酸性、アルカリ性の場合には各々4-5級、4級となった。一方、使用前に洗濯20回(浴比1:50)を行った後に人工汗試験を行ったところ、全ての試験の染色堅牢度の場合とも5級になることもわかった。
伝統的な本藍染めは、色落ちがし易いことが知られている。そこで本藍染めを行った綿織物について染色堅牢度試験を行い、その色落ちや綿白布への色移りに関する評価を行った。また、実使用時の色の落ち着きを高めるため、使用前に繰返し洗濯を行って色素を除去した場合の染色堅牢度についても評価した。
「方法」
繰返し洗濯実験(浴比1:50、1:20)、人工汗試験、摩擦試験を行った染色布と未染色布である綿白布に対して、反射率スペクトルとグレースケール評価を行って染色堅牢度を評価した。
「結果」
染色布に対する反射率スペクトル(波長:422nm)を調べたところ、繰返し洗濯後(浴比1:50)の染色布では洗濯前の反射率は88.3%であったものが、洗濯回数を1回から20回まで増やすと14.2%から17.1%へと高くなった。また、色移りでは摩擦試験の場合が最も著しく、摩擦10回から100回まで増やすと綿白布の反射率が82.2%から74.4%と低下した。さらに、グレースケール評価では、繰返し洗濯後(浴比1:50)での染色布については、洗濯10回までの場合は4級以上を示した。人工汗試験での染色布については、酸性、アルカリ性の場合には各々4-5級、4級となった。一方、使用前に洗濯20回(浴比1:50)を行った後に人工汗試験を行ったところ、全ての試験の染色堅牢度の場合とも5級になることもわかった。