講演情報
[2E-05]シンガーミシン裁縫女学院における水兵服の裁縫指導
*池田 仁美1 (1. 武庫川女大)
キーワード:
シンガーミシン裁縫女学院、水兵服、裁縫教育
【目的】1906年(明治39年)に設立されたミシン裁縫教育に特化した教育機関であるシンガーミシン裁縫女学院における裁縫教育の実態を、当時の教材資料群から明らかにする。本研究では水兵服に着目し、その指導内容の解明を目的とする。
【方法】1908年(明治41年)にシンガーミシン裁縫女学院に入学した生徒が授業で製作した実物の型紙、製図方法や裁縫手順を記録した資料、および雛形を調査対象とした。
【結果】現存する水兵服の型紙は、「水兵形女児服製図(七八才)」、「水兵服身頃製図」、「男児水兵服袖」、および水兵形襟のみの型紙である。女児用(身長43インチ・胸囲24インチ)と男児用(身長38インチ・胸囲21.5インチ)の2種類が確認され、いずれも割出し式の製図が用いられていた。男児用には裁方図や製作手順を記録した資料もあり、小倉巾・キャリコ巾の裁合図には縫い代付の型紙配置方法が図示されている。その他、ボタン穴の位置、見返しの仕様、飾りミシンの指示などが含まれる。裁縫雛形は、上衣のみで身頃ピンク・衿白の前あきのものがあった。水兵服の指導については、『婦女新聞』1906年7月16日付けの同院の裁縫講習会の案内記事や、1907年12月2日付けのシンガーミシン購入者を対象とした出張指導の広告に記載があり、現存資料との関連性が示唆された。
【方法】1908年(明治41年)にシンガーミシン裁縫女学院に入学した生徒が授業で製作した実物の型紙、製図方法や裁縫手順を記録した資料、および雛形を調査対象とした。
【結果】現存する水兵服の型紙は、「水兵形女児服製図(七八才)」、「水兵服身頃製図」、「男児水兵服袖」、および水兵形襟のみの型紙である。女児用(身長43インチ・胸囲24インチ)と男児用(身長38インチ・胸囲21.5インチ)の2種類が確認され、いずれも割出し式の製図が用いられていた。男児用には裁方図や製作手順を記録した資料もあり、小倉巾・キャリコ巾の裁合図には縫い代付の型紙配置方法が図示されている。その他、ボタン穴の位置、見返しの仕様、飾りミシンの指示などが含まれる。裁縫雛形は、上衣のみで身頃ピンク・衿白の前あきのものがあった。水兵服の指導については、『婦女新聞』1906年7月16日付けの同院の裁縫講習会の案内記事や、1907年12月2日付けのシンガーミシン購入者を対象とした出張指導の広告に記載があり、現存資料との関連性が示唆された。