講演情報
[2E-08]現代の若者による着物の着心地評価
*太田 茜1 (1. 東京家政学院大学)
キーワード:
着物、着心地、手触り
目的
第二次世界大戦以降の日本においては全体的に着物の着用者は減少しているのが実情である。一方で成人式や結婚式、七五三などでの貸衣装や観光地でのレンタル着物の利用者は増加しており、自分では着付けはしないものの和装には親しんでいる人が一定数存在している。特にカジュアルなレンタル着物の素材である新合繊は従来の着物の価値観では正絹のものに比べると着心地が劣ると言われるが、実際に利用している人がどう感じているのかは不明である。そこでレンタル着物の顧客として想定される若者世代を対象に官能評価実験を行い、和服の着心地における若者の評価を解明する。
方法
女子大学生を対象とし、正絹の着物と新合繊の着物の2種類を着装しての官能評価を行う。衣服の着心地を左右するのは触覚が大きな因子であるが、試料片ではなく着物として着用したうえでの着心地を総合的に評価するような項目を設定し、分析を行う。また、ある程度和装の経験のある被験者とほとんど経験のない被検者との間に評価に差があるかも検討した。
結果
正絹の着物と新合繊の着物を比較した結果、布地の手触りについては正絹の方が評価が高かったが、着装しての着心地という点では同程度の評価をしていることが明らかになった。また、動きやすさを問うた項目では正絹の着物の方が動きにくいと回答している項目があり、現在の若者の感覚では正絹の着物が必ずしも着心地において高評価を得るとはいいがたい結果が得られた。
第二次世界大戦以降の日本においては全体的に着物の着用者は減少しているのが実情である。一方で成人式や結婚式、七五三などでの貸衣装や観光地でのレンタル着物の利用者は増加しており、自分では着付けはしないものの和装には親しんでいる人が一定数存在している。特にカジュアルなレンタル着物の素材である新合繊は従来の着物の価値観では正絹のものに比べると着心地が劣ると言われるが、実際に利用している人がどう感じているのかは不明である。そこでレンタル着物の顧客として想定される若者世代を対象に官能評価実験を行い、和服の着心地における若者の評価を解明する。
方法
女子大学生を対象とし、正絹の着物と新合繊の着物の2種類を着装しての官能評価を行う。衣服の着心地を左右するのは触覚が大きな因子であるが、試料片ではなく着物として着用したうえでの着心地を総合的に評価するような項目を設定し、分析を行う。また、ある程度和装の経験のある被験者とほとんど経験のない被検者との間に評価に差があるかも検討した。
結果
正絹の着物と新合繊の着物を比較した結果、布地の手触りについては正絹の方が評価が高かったが、着装しての着心地という点では同程度の評価をしていることが明らかになった。また、動きやすさを問うた項目では正絹の着物の方が動きにくいと回答している項目があり、現在の若者の感覚では正絹の着物が必ずしも着心地において高評価を得るとはいいがたい結果が得られた。