講演情報

[2F-07]防災まちづくり絵本の制作および絵本読み語りの効果

*田中 麻里1、富田 紗帆1 (1. 群馬大学)

キーワード:

住教育、洪水経験共有、防災まちづくり絵本、読み語り

目的 防災教育は命を守る避難方法について重点を置いてきた。一方、頻発する水害に対してはハード対応の限界も認識され、流域治水の考え方が共有されつつあり、水害に対して、どのように対応し、レジリエンスの高いまちにしていくのか、今後は学校教育においても減災まちづくりを視野に入れた住教育が求められる。学習指導要領でも指摘される過去に起こった災害を扱うことで、身近な地域の災害を自分ごととして捉えることができる。本研究では、過去の洪水経験を共有し、今後のまちづくりについて考えるきっかけとなる絵本の制作を行った。絵本の読み語りを行い、その効果を検証することを目的とする。
方法 群馬県板倉町において、文献調査と洪水経験者の座談会から洪水経験を共有する絵本の制作を行った。大学生15人と小学生32人に対して絵本の読み語りを行い、参加者にアンケートを実施し、感想を含めて分析を行った。
結果 板倉町の小学生は、大学生よりも自分の居住する地域での洪水発生の危険性を認識している。絵本をもう一度読んでみたい割合は共に90%以上と高かった。絵本で新しく知ったことがあった、絵本の内容を家族や友達に話してみたいという回答も多くみられた。さらに、防災まちづくりについて考えていきたいという回答は共に93%と非常に高く、過去に起こった経験を共有し、自分ごととして捉え、これからのまちについて考えていくことについても一定の効果がみられた。