講演情報

[2F-08]中学校家庭科の住まいの空間についての授業実践と考察一人一台ICT端末を活用して

*塚見 淑子1 (1. 和洋女子大学)

キーワード:

家庭科、住居領域、中学校、住空間、授業実践、ICT

目的 家庭科の住居領域は、小・中・高等学校通じて授業で扱われる時間数が少ない、授業が実施されないという実態がある。その要因に、指導の難しさ、住空間というスケール間の大きさなどが指摘されている。ICTの活用は、これらを補う効果的な授業展開の可能性がある。本研究は、家庭科住居領域の「住まいの空間」についてICT教材を用いた授業を実施し、その実態の分析から今後の授業改善に関する知見を得ることを目的としている。
方法 授業対象は、千葉県の某私立中学校3年生6クラス224名(男子138名、女子86名)である。1人1台タブレット端末を用いた実習授業を2時間実施し、住宅の間取り図を作成した。実習に向けた基礎知識を含む座学を2回実施し、計4回で授業を構成した。それら授業の開始前と授業終了後の2回、生徒に対してアンケートを行った。また、授業効果を図るものとして、生徒が作成した間取り図の分析、定期考査の回答を利用した。
結果 平面図作成については、80%の生徒が「楽しい」、約75%の生徒が「難しい」と回答した。住まいへの興味については、88%が「興味が増した」と回答した。定期考査において、シングルベッドの記号を記入する問の正答率は42%であった。授業時間2時間で平面図を作成でき、生徒の興味関心を惹く点では、ICTの教材は有効である。しかし、知識の習得においては、教員側の工夫が必要であることが分かった。