講演情報

[2F-09]家庭科の住分野における建築の観点を活かした教材開発

*前田 博子1 (1. 豊田高専)

キーワード:

住教育、中学校、家庭科

目的 住分野の教材を作成し,実際の授業で用いてもらうことで(1)既往研究で挙げられている教材不足,専門性の高さ,実践や体感への移しづらさなどの課題に対する効果や,教員と生徒の反応および教材の効果を明らかにし, (2)教材を作成することを目的とする.
方法 中学校1年生の家庭科の授業を担当する教員からヒアリング調査を実施した上で,住分野の授業で用いる模型教材を作成し,授業後に教員および生徒に対するアンケート調査を実施し,教材の効果や改善点を明らかにする.
結果 (1)住教育における課題に対し,解決のための有効な方法は挙げられているが,ツールや授業時間が少ないこと,資料を作成するとなると教員の負担が増えてしまうことから実践は行われていない.(2)座学が多い住分野の学習において模型を使用することで主体性と理解が高まり,学習環境の見直しや災害への備えなど家庭での実践に活かした生徒が多く確認できた.(3)図面を読み取ることに慣れていないため,平面図のみでは問題点を探すことや空間を理解するのは難しい.(4)模型での検討に加え,チェックリストが理解を深めるのに効果的である.(5)実際に手を動かすなど生徒が主体性を持って授業に取り組めるようにするのが重要であり,そのために間取り図の教材や家具などを配置できる教育ソフトなどの開発・活用されることが理想であると推察できたので,一室に絞った簡易模型作成シートを作成した.