講演情報
[2I-04]保育者の子ども理解と子育て支援意識の関連
*守隨 香1 (1. 共立女子大学)
キーワード:
保育者、子ども理解、子育て支援意識
目的:本研究は、子ども理解は保育の出発点であると自明視されている中、その出発点の質が十分に検討されたといい難い現状に鑑み、保育者の子ども理解とは何かを改めて問うことを目的とした。
方法:保育者の語る場面を共通理解できる関係性で語りを聞き取るため、月1回程度の保育観察および保育者への半構造化インタビューを2年間継続した。対象は船橋市内の小規模保育所の保育士4名で、在籍児は0歳児から2歳児である。インタビュー記録に表れる保育者の語りから、子ども理解の内実を抽出し事例を作成した。子ども理解が保護者とのやりとりのみから導き出されている事例に注目し、質的分析と考察を行った。
結果:子どものコンディションがよくない時に、その子どもの具体的な状態が語られる場合が多く、コンディションの悪さの源が家庭生活にあると理解しがちな保育者が2名認められた。0歳児から2歳児の保育において、子どもは自身のコンディションを言語化して保育者に伝えることはできないため、保育者は丁寧に保護者とやりとりを行う。その結果、保育者の子育て支援に対する使命感、責任感から子ども自身をよく観て理解しようとするよりも、保護者の言葉を根拠に子どもを理解したように感じてしまうことが、保育における今後の課題として示唆された。今後の保育者養成課程において、観念にとどまらない子育て支援意識の醸成が必要であると考える。
方法:保育者の語る場面を共通理解できる関係性で語りを聞き取るため、月1回程度の保育観察および保育者への半構造化インタビューを2年間継続した。対象は船橋市内の小規模保育所の保育士4名で、在籍児は0歳児から2歳児である。インタビュー記録に表れる保育者の語りから、子ども理解の内実を抽出し事例を作成した。子ども理解が保護者とのやりとりのみから導き出されている事例に注目し、質的分析と考察を行った。
結果:子どものコンディションがよくない時に、その子どもの具体的な状態が語られる場合が多く、コンディションの悪さの源が家庭生活にあると理解しがちな保育者が2名認められた。0歳児から2歳児の保育において、子どもは自身のコンディションを言語化して保育者に伝えることはできないため、保育者は丁寧に保護者とやりとりを行う。その結果、保育者の子育て支援に対する使命感、責任感から子ども自身をよく観て理解しようとするよりも、保護者の言葉を根拠に子どもを理解したように感じてしまうことが、保育における今後の課題として示唆された。今後の保育者養成課程において、観念にとどまらない子育て支援意識の醸成が必要であると考える。