講演情報

[2I-07]衣類の入手と処分における生活者の行動と意識の変化

*岡林 誠士1、熊谷 伸子1 (1. 文化学園大学)

キーワード:

衣類、入手と処分、環境意識、縦断的研究

目的 本研究では生活者の衣類における環境への意識、特に衣類の入手と処分における実態を明らかすることにより、その醸成の一助となることを目的に継続的な調査を実施していた。本報告では2020年から2024年の調査結果から環境への意識と行動の変化を分析したものである。
方法 衣類を種類および価格で分類した場合の入手と処分の方法、環境行動に関する意識等について、各年同時期・同規模で同インターネット調査会社を用いて年1回、計5回の調査を実施した(有効回答総数2597名(関東在住))。
結果および考察 衣類の種類(下着・下着以外)のいずれにおいても、入手方法では新品での購入は減少傾向、中古での購入は増加傾向にあり、処分方法では廃棄が減少傾向であった。一方、処分における好ましい方法では、高・低価格帯の共にReuse項目(売る・譲渡・再利用)は増加傾向にあり、一般ごみは減少傾向であった。他方、高・低価格帯の衣類で割合は異なるものの「あまり購入しないため分からない」を選択した回答者は増加傾向にあり、特に高価格帯では2024年には44.5%に迫っていた。尚、本調査期間内にはコロナ禍やその後の社会情勢による不景気の影響などが散見される点もあるが、初年度と最終年度の比較ではその変化の一部を捉えることができたと考えられる。
本研究の一部はJSPS科研費 JP19K21730および文化・衣環境学研究所の助成を受けたものです。