講演情報
[3A-04]食物のATP量について
*影山 志保1、諸岡 信久1 (1. 郡山女大)
キーワード:
アデノシン三リン酸、食事誘発性熱産生、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
【目的】食品類に含まれている栄養素を体内で分解、吸収する際に発熱する現象を「食事誘発性熱産生」と呼ぶ。食物を摂取した直後に身体が温かくなることに、生物の体内においてエネルギー産生に関わっているATPが関係しているのではないかと考え、食物のATP量を測定した。【方法】ATP量の測定にはルミテスターSmartおよびルシパックA3Water(キッコーマン)を用いた。ATPの測定に用いたサンプルは、青果10種類、調味料12種類、飲料・乳14種類および水4種類である。その他に、ニンジン、ダイコンおよび魚類の3つのサンプルについて、NADHの活性の有無をメチレンブルー法で確認した。【結果】青果のATPの平均値±標準偏差は449,507±478,564、次いで飲料・乳が198,656±351,205、調味料が71,873±148,610、水が333±658であった。ATPはニンジン、トウモロコシ、ナシ、水出し緑茶で特に多く含まれており、上限の999,999であった。濃口醤油および市販の天然水はATPが全く含まれなかった。水系のATPは特に低く、池の水が1,319、水道水7および精製水4であった。また、メチレンブルーを用いた実験では、ATPを多く含む食品はNADHを多く含んでおり、材料の切り方の違いでも差が見られた。細胞を破壊せずに摂取することで、NADHを活性のある状態で摂取できることが分かった。