講演情報

[P-057]保管室を考慮した圧縮服の防しわ性に関する研究

*加藤木 秀章1、傳法谷 郁乃1 (1. 実践女大)

キーワード:

圧縮、衣服、防しわ性、保管室

緒言 被災後の復興物資が届くまでの生活では,日用品不足が予想され,保管に優れた衣服も必要となるが,保管場所を考慮した衣服の機械的特性に関する研究報告例が少ない.
 そこで本研究では,保管環境の調査し,その環境を模擬した衣服の防しわ性について調べた.
調査および試験方法 本研究では,日本の関東圏の保管場所の室内温度を測定(2024年7月)した.その調査結果より,最高温度は40℃程度であった.
 圧縮された衣服(素材:綿)から試験布を切り出した.自作した試験装置を用いて環境温度約41℃に設定し,試験布のしわ回復角について測定した.
試験結果 試験前の試験布の表面観察より,組織表面には目開きがみられた.たて方向の試験布のしわ回復角は,よこ方向の場合と比べ若干大きかった.綿繊維は主にセルロースで構成されており,245度から綿繊維の熱劣化1)が生じる.そのため,主に組織の構造が布地の防しわ性に影響を及ぼしたと考えられるが,より詳細な検討が必要である.
結言 本研究では,保管環境を考慮した圧縮服の防しわ性について調べた結果,組織の構造が布地の防しわ性に影響を及ぼすことを示唆した.
[文献] 1) M. Isola et al., Polymer Degradation and Stability, 228, 110937 (2024).
謝辞 本研究においては,調査させていただきました施設のみなさまに御礼申し上げます.