講演情報
[P-063]学校現場における染色教材の開発と実践―合成繊維の染色実験とパッチワーク制作—
*齋藤 愛1、天木 桂子2 (1. 岩手県立大短、2. 岩手大学)
キーワード:
染色、パッチワーク、教材
目的 ポリエステル,アクリル,ナイロンの三大合成繊維は現代の私達の衣生活を支える被服の主要な素材である.本研究では,合成繊維を用いた教材開発を目的とし,染色実験と作品制作を実施した.授業前後に意識変化に関する調査を行い,本教材の有効性と改善点を検討した.方法 2024年12月~2025年1月に岩手県立大学盛岡短期大学部生活科学科生活デザイン専攻の専門科目「テキスタイルデザイン演習」の受講生8名を対象に実施した.試料布はポリエステル,ナイロン,アクリルである.染料は市販の分散染料を用い,染色条件は,濃度50.0%owf,浴比1:100,染色時間30分,温度60℃である.さらに,キャリヤーを用いて助剤の効果を確かめた.助剤濃度は5.0%owfである.水は水道水を用いた.染色後は染着性を目視で確認した.さらに,事前に染色したナイロン(13cm×13cm)2枚を使って,パッチワーク制作を行った.授業前後にはプレテスト,ポストテストを行い,意識変化を調査した.結果 調査結果から,染色や衣料廃棄物に対して関心をもつようになったという回答がみられた.自由記述では,「染料に種類があり,よく染まるために必要なエネルギー量が違うことが分かった」や「端切れを再利用することで環境問題の改善につながると思った」とあり,本教材は染色と環境問題への関心を高めるとともに,被服素材の教育教材として有効な手法であることが示唆された.