講演情報

[P-067]中高年における凍結肩と衣服の着脱動作に関する実態調査

*高橋 佐智子1、丸田 直美1、前田 亜紀子1 (1. 共立女子大)

キーワード:

凍結肩、衣服の着脱、日常生活動作(ADL動作)

目的:凍結肩(いわゆる四十肩・五十肩)は、日本のみならず世界的に多くの人が発症し、日常生活動作(以下ADL動作)に支障をきたすことが知られている。40~60代の発症が多く、肩関節の可動域が大幅に制限され、着脱動作が困難になる。先行調査にて、60代男女各1000名を対象に凍結肩の経験を調査したところ、約半数が経験していた。この結果を踏まえ、本研究では、凍結肩と衣服の着脱に関する中高年の実態を調査し、衣服設計の基礎資料を得ることを目的とした。
方法: Webアンケートを用い、40~60代男女642名(各年代・性別107名)を対象に、2025年1月に調査を実施した。調査項目は、①凍結肩の発症状況および発症時のADL動作の6項目、②発症時の衣服の着脱に関する7項目とした。
結果:凍結肩の発症経験は、60代女性52.4%、60代男性51.4%、50代男女ともに39.3%、40代男女ともに26.1%であった。自己申告であるものの、先行研究の「凍結肩患者の7割が女性」との結果とは異なる傾向が見られた。また、60代の男女ともに「50代で発症した」との回答が最多で、職場や家庭での活動に不自由を感じていた。さらに、発症時に困難を感じたADL動作として「上半身の着脱」が最も多く、半数以上が該当した。特に、かぶり型の半袖・長袖Tシャツの着脱に不自由を感じていることが明らかとなり、凍結肩に配慮した上衣設計の必要性が示唆された。