講演情報

[P-075]ミシン刺しゅうにおける新たなデザイン手法の検討プログラミング刺しゅうツールの活用

*本多 素子1 (1. 昭和女大)

キーワード:

ミシン刺しゅう、デジタルファブリケーション、プログラミング、スクラッチ

目的 
オリジナルデザインでミシン刺しゅうを行う場合の刺しゅうデータ作成方法は,従来は専用ソフトウェア利用が唯一の方法であったが,最近ではプログラミングによって描画から刺しゅうデータ生成までを行うツール(以下,プログラミング刺しゅうツールと略記)が登場している.
前報1)ではプログラミング教育の観点から検討したが,本研究では,プログラミング刺しゅうツールによるミシン刺しゅうデザインの表現の可能性について示唆を得ることを目的とする.
方法 
前報1)と同様に,ビジュアル・プログラミング言語Scratchの刺しゅう拡張機能を用いて画面描画およびミシン刺しゅうデータ生成を行い,家庭用刺しゅうミシンで刺しゅうを行った.プログラミングによる描画の特徴の一つである繰返し処理による連続模様を,今回のデザイン方針とした.
結果 
まず図形パーツを描画するプログラムを作成し,そのプログラムに図形パーツの変形・移動等の処理や繰返し処理等の制御を追加する,という手順で多様な幾何学・連続模様のデザインを効率的に作成し刺しゅうすることができた.また三角関数など数学的要素を取り入れることにより,デザインの幅が広がった.さらに描画内容をベクター形式でも出力し,アプリケやステンシルの技法と組合せた表現にも展開できた.
1) 本多素子.Scratch刺しゅう拡張機能の学校教育での活用可能性の検討.日本STEM教育学会第6回年次大会.2023,29-32.