講演情報
[P-087]高齢者が居住するコレクティブハウスの実態調査
*西田 思佳1、藤居 由香1 (1. 岩手県立大)
キーワード:
コレクティブハウジング、コレクティブハウス、高齢居住者、福祉住環境
【目的】本研究では、国内の高齢者が居住するコレクティブハウスの運営実態、入居者の特性、住空間、集住による活動等の特徴を明らかにすることを目的とした。【方法】6ヶ所の住宅(4ヶ所が高齢者のみ、2ヶ所が多世代居住)を対象とし、公営住宅3ヶ所、公社住宅1ヶ所、医療法人(サービス付き高齢者向け住宅)2ヶ所の運営者にアンケート調査を実施した。2024年10月~11月に郵送・メールにより61設問の調査票を配布回収した。 【結果】調査対象選定の段階で、コレクティブハウスの名称を老人ホームへの使用事例や、デイサービスへ用途変更した住宅がみられた。調査票からは、5か所で定期的な行事や食事会を開催し居住者同士が関わる機会があるものの、6ヶ所とも居住者主体の運営ではないこと、共働の家事は2ヶ所、コモンミールの実施は0ヶ所と、コレクティブハウジングの要件を満たしているとはいえない現状が明らかになった。1棟あたりの住戸数は10または20程度で、入居開始年が約10年前と20年前に集中していたが、居住年数はいずれも約7~8年であった。高齢居住者には、3ヶ所で訪問看護または訪問介護利用者がいた。また、車いす使用者10名、杖使用者9名、シルバーカー使用者1名いた。医療法人が運営する住宅は、職員が常駐する高齢者限定住宅で、要支援・要介護該当者が入居条件であった。福祉住環境面では、トイレや浴室に介助スペースが確保されていたのは4カ所だった。