講演情報

[3B-06]中学校「技術・家庭」家庭分野における将来展望に関する研究―「生活に関わる技術」に着目した授業実践より―

*宮川 駿1、鈴木 明子1 (1. 広島大)

キーワード:

中学校、家庭分野、将来展望、授業実践、技術

目的
中学校学習指導要領(2017)家庭分野では,今後の生活を展望した課題解決能力の育成が求められている。前二報では,中・高校生を対象に,技術が進歩した未来生活を描いた年表を活用した授業実践を行い,自分事として未来の生活を予測しながら,技術革新を多面的に捉えていたことを報告した。本報では,中学1年生に対して,これまでの授業を改善した,「生活に関わる技術」に着目した授業を構想,実践し,よりよい生活の実現に向けた思考の深まりにつながったか検証することを目的とした。
方法
H中学校1年生119名を対象に,2024年10月〜11月の期間で4時間の授業を実施した。評価はワークシートの記述分析,評価規準は未来の生活と技術の関係性を考察し,よりよい生活の実現に向けて自分事として思考できているか等であった。
結果
「今後の人生で大切にしたいことは何ですか」の問いでは,「技術と共存しながら自分の個性を大事にすること(64名)」「未来を考えながら楽しむこと(36名)」等の回答があった。また,「技術とどのように向き合うべきだと思いますか」の問いでは,「人間らしさを残しつつ,技術との共生が必要(63名)」「技術発展による影響への配慮が必要(25名)」「制限をかける等,適度な距離感が必要(15名)」等の回答があった。これらの結果から,改善授業は多くの生徒がよりよい生活の実現に向けて,「技術」の多様な側面をより深く捉えていたと評価できる。