講演情報

[3B-08]小学校・中学校家庭科における課題の設定

*中里 真一1、田中 麻里2 (1. 群馬県教育委員会事務局、2. 群馬大)

キーワード:

家庭科、授業づくり、課題の設定

目的 家庭科、家庭分野の授業づくりにおいて、教師や教育実習生の多くが困難さを感じていることの一つに課題の設定がある。そのため、題材の課題を児童生徒が設定するのではなく、授業者が提示する実践や、題材の課題が設定されない実践を目にすることがある。本研究では、家庭科、家庭分野における課題とは何か、児童生徒が課題を設定するための教師の手立ての具体は何かを伝える講話内容が、家庭科、家庭分野の授業づくりについての理解の深まりや実践意欲向上へつながるかを検証することを目的とする。
方法 学校現場で家庭科の授業実践をしている小中学校教諭15名にはオンライン研修会で、家庭科免許取得を目指す大学生42名には大学の講義の中で、いずれも同様の内容でおよそ60分の講話を行った。講話後の感想や振り返りの記述をもとに分析を行った。
結果 小中学校教諭は、家庭科、家庭分野における課題の捉えと児童生徒が課題を設定するための教師の手立てが明確になり、すぐにでも実践できる実感を得るとともに、取組への意欲を高めた。特に、小学校教諭は、家庭科だけでなく他教科でも取り入れられる内容であると捉えた。大学生も、課題の捉えを明確にするとともに、授業観の転換の必要性や、教師の役割を見直す必要性を実感した。教師も大学生も授業づくりについての理解を深めるとともに、各立場に応じた今後の取組への意欲向上について一定の効果が見られた。