講演情報

[3G-07]ジェンダー主流化のまちづくり生活経営学の視点から

*嶋崎 東子1 (1. 文京学院大)

キーワード:

生活経営、ジェンダー主流化、まちづくり

「目的」ジェンダーという切り口から空間や場所に刻み込まれた権力関係を明らかにする試みは、地理学の中で蓄積されてきている。また、「ジェンダー主流化」といわれるアプローチが、ヨーロッパではかなり以前から採用されてきた。「ジェンダー主流化」とは、あらゆるプランニングや政策や予算決定において出発点からジェンダー平等性という目標を定めるものである。都市計画の分野では、1990年代以降、オーストリアのウィーン市やスウェーデン等が先駆けとなり、世界にゆっくりと広がっている潮流であるが、限界もある。日本においては「ジェンダー主流化」を目指した素晴らしい取り組みも数多く見出されるが、その方向性を感じづらい状況にある。本報告においては、その理由と、まちづくりにおける「ジェンダー主流化」を実現するための視点を考察することを目的とする。
「方法」文献研究とこれまでに実施した調査、フィールドワーク等から得た知見による。
「結果」日本においては、「ジェンダー主流化」を難しくする社会構造や文化の問題が根強い。しかしながらそれ以上に、「インターセクショナリティ」(交差性)を考慮する視点(カーン 2022)、生活者の営みを総合的にとらえる視点が欠如しているといった問題があるように思われる。本報告においては、特に後者に着目し、「ジェンダー主流化」のまちづくりを「生活経営学」の視点からとらえる見方を提示する。