講演情報

[3G-08]生活困窮者支援こども食堂の例から

*大藪 千穂1 (1. 岐阜大)

キーワード:

生活困窮者、支援、こども食堂

目的 日本では、核家族化や少子化、高齢化が進む中で地域や社会でのつながりが薄れ、孤立する家庭や個人が増加し、東日本大震災を契機として経済的困窮や社会的孤立といった課題が顕在化している。子どもは2022年度の調査において9人に1人が貧困であるといわれている。地域ごとの柔軟で実効的な取り組みが必要な「こどもの貧困」問題を解決する1つとして「こども食堂」がある。本報告では、こども食堂の今後の在り方について貧困の歴史や支援状況、こども食堂の利用状況、役割と課題点を明らかにすることを目的としている。
方法 貧困の定義の歴史分析、むすびえが実施した「全国のこども食堂の現状と困りごとアンケート」調査分析後、現場調査やアンケート調査を岐阜県内のこども食堂に対して行った。
結果 全国調査の分析結果では、運営資金の不足、運営スタッフの不足・後継者不足、必要な人に支援を届けるための広報、食材の不足が上位項目として挙げられていることが分かった。岐阜市のこども食堂1ヶ所での現地調査と岐阜県のこども食堂8カ所のアンケートの結果、「資金不足、人材不足、食材不足」が同様に課題であることが明かとなった。今後は、①助成制度の情報共有と地域のネットワークやフードバンクの活性化、②人材確保の簡易化、③自治体やこども食堂同士のネットワークの強化の3点が重要であることが明らかとなった。