講演情報
[3G-09]金融リテラシーの定義と尺度についての一考察
重川 純子1、*熊谷 悠1 (1. 埼玉大)
キーワード:
金融リテラシー、測定尺度、定義、文献調査
目的 金融リテラシーの向上は喫緊の課題とされており、金融教育推進に向けて現状把握が不可欠であるが、「金融リテラシー」が含むところや測定指標の曖昧さも指摘されている。2012年にはOECDからリテラシーの定義も含む金融リテラシー測定に関するWPが発行されている。本研究では、リテラシー向上の土台となる金融リテラシー実態調査を取り上げ、「金融リテラシー」の実態を調査する。
方法 2000年代以降に金融リテラシーの調査を実施し属性による相違を分析している文献・調査16件(海外12件、日本4件)を取り上げ、各文献において金融リテラシーとして示されている定義、リテラシーの測定尺度の内容、金融リテラシーと関係が見られる事項について調査を行った。
結果 金融リテラシーの定義の明示は、Huston(2010)の調査では約1割であったが、過半数の調査で定義を示しており、そのうち6割がOECDの定義であった。測定尺度には、金融知識、金融行動、金融態度、自己効力感、金融スキルが用いられていたが、16件全てで用いられていたのは金融知識のみであり、ビッグ3、ビッグ5と呼ばれる項目が用いられることが多い。金融行動について、今回取り上げた日本の調査では、退職に向けた計画やFPへの相談は見られなかった。金融リテラシーとの相関について、年齢との相関は正の相関だけでなく、逆U字のものも見られるなど、相関の有無やあり方は一律ではなかった。
方法 2000年代以降に金融リテラシーの調査を実施し属性による相違を分析している文献・調査16件(海外12件、日本4件)を取り上げ、各文献において金融リテラシーとして示されている定義、リテラシーの測定尺度の内容、金融リテラシーと関係が見られる事項について調査を行った。
結果 金融リテラシーの定義の明示は、Huston(2010)の調査では約1割であったが、過半数の調査で定義を示しており、そのうち6割がOECDの定義であった。測定尺度には、金融知識、金融行動、金融態度、自己効力感、金融スキルが用いられていたが、16件全てで用いられていたのは金融知識のみであり、ビッグ3、ビッグ5と呼ばれる項目が用いられることが多い。金融行動について、今回取り上げた日本の調査では、退職に向けた計画やFPへの相談は見られなかった。金融リテラシーとの相関について、年齢との相関は正の相関だけでなく、逆U字のものも見られるなど、相関の有無やあり方は一律ではなかった。