講演情報
[3H-02]ウェルビーイング推進のインクルーシブ教育-スペインバスク自治州の公立小学校視察調査をとおしてー
*齋藤 美重子1、望月 一枝2、川村 めぐみ3、阿部 睦子4 (1. 川村学園女子大、2. 日本女子大(客員研究員)、3. 岩手大、4. 東京学芸大(非))
キーワード:
インクルーシブ教育、ウェルビーイング、不登校児童、スペインバスク自治州、エージェンシー
目的:日本では不登校児童が増加しており、その対策は喫緊の課題である。そこで本研究では不登校児童のいないスペインバスク自治州小学校の調査を通して、日本における誰一人取り残さない教育に示唆を得ることを目的にした。
方法:スペインのインクルーシブ教育文献調査と2024年10月、モンドラゴン大学教員らへのヒアリング調査及びスペインバスク自治州ファンマヌエルサンチェスマルコ公立幼小学校視察・授業観察、及び校長・学校教育アドバイザー・教員へのヒアリング調査を行った。ヒアリング調査はICレコーダーに録音し文字起こしをウルセル(1997)を援用して分析した。本研究は岩手大学の研究倫理の承認を得て行った。
結果:バスク自治州では、1978年ウォーノック報告書後、保護者の要請で統合教育が始まり、サラマンカ宣言等の影響を受け、多様な子どもたちが同じ学校で過ごすインクルーシブ教育が行われていることが明らかになった。特に、調査校では不登校児童がいないことが確認された。この学校の教育目標は「すべての子どもたちが幸せに生活していくこと」であり、つまりウェルビーイングが目標で、Learning Compass 2030のエージェンシーを推進していることがわかった。誰一人取り残さないために、「学びの多様性」のみならず、多様な子どもたちがいる中で意見表明しあえる心理的安全性のあるインクルーシブな学校を検討する必要性が示唆された。
方法:スペインのインクルーシブ教育文献調査と2024年10月、モンドラゴン大学教員らへのヒアリング調査及びスペインバスク自治州ファンマヌエルサンチェスマルコ公立幼小学校視察・授業観察、及び校長・学校教育アドバイザー・教員へのヒアリング調査を行った。ヒアリング調査はICレコーダーに録音し文字起こしをウルセル(1997)を援用して分析した。本研究は岩手大学の研究倫理の承認を得て行った。
結果:バスク自治州では、1978年ウォーノック報告書後、保護者の要請で統合教育が始まり、サラマンカ宣言等の影響を受け、多様な子どもたちが同じ学校で過ごすインクルーシブ教育が行われていることが明らかになった。特に、調査校では不登校児童がいないことが確認された。この学校の教育目標は「すべての子どもたちが幸せに生活していくこと」であり、つまりウェルビーイングが目標で、Learning Compass 2030のエージェンシーを推進していることがわかった。誰一人取り残さないために、「学びの多様性」のみならず、多様な子どもたちがいる中で意見表明しあえる心理的安全性のあるインクルーシブな学校を検討する必要性が示唆された。