講演情報

[3H-09]長崎市シルバーハウジングの現状と課題に関する研究

*大塚 順子1、橋本 彼路子2、定行 まり子3 (1. 東京通信大、2. 長総大、3. 日女大)

キーワード:

シルバーハウジング、高齢者、生活援助員(LSA)、緊急通報システム、公営住宅

目的:1987年度の制度創設以来、38年が経過したシルバーハウジングに着目し、現状を明らかにすることで開設からの変化等を確認し、高齢者向けの公営住宅としての今後の在り方について検討することを目的とする。方法:長崎市のシルバーハウジング(市営三芳住宅、県営本原すこやか住宅)に着目し、①現地調査、②生活援助員(LSA)4名へのアンケート調査及び、③ヒアリング調査、④了承を得られた県営本原すこやか住宅の住民へのヒアリング調査、⑤長崎市高齢者すこやか支援課へのヒアリング調査を実施した。(2024年7月~8月)。結果:現地調査では、高齢者の自立に配慮したバリアフリーの建築仕様と緊急通報システム等の設置など、シルバーハウジングのハード面の特徴を確認した。ソフト面では、いずれも社会福祉法人に所属するLSAが派遣され、2人交代制で5年以上継続勤務しており、居住者の安否確認、生活相談、緊急時の対応等を役所の担当課や地域包括支援センター、民生委員などと連携しながら、やりがいを持って業務にあたっていることが分かった。一方で、居住者の高齢化により、各種手続きや制度の説明等に時間を要したり、体調不良や認知症の方への対応など業務負担の増加が顕著であった。特に、緊急時の対応では、システムの発報時に駆けつける警備会社とLSAや周囲の居住者による対応等が住宅によって異なり、迅速な対応と対応フローの明確化が課題であることが分かった。