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[スポーツ文化-B-04]日本におけるスケートボードの初期的展開に関する検討(史)スケートボードパークの諸相に着目して

*塩見 俊一1 (1. 立命館大学非常勤講師)
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本発表の目的は、日本におけるスケートボードの1970年代から80年代初頭の展開について、同時期のスケートボードパーク(以下、パーク)の様相を踏まえて検討することにある。今日、スケートボードは五輪等での実施を含め注目を集め、研究も一定蓄積している。イアン・ボーデンはスケートボード文化研究において、1970年代の日本のスケートボードシーンが「非常に特徴的」だと指摘しているが、これまでの研究状況を概観すると、この点は十分には明らかにされてこなかった。この、いわば日本のスケートボード文化の根元を確かめることは、スケートボードを含むライフスタイルスポーツへの理解や考察の進展に資する可能性があろう。このような視点から、発表者はこれまで日本におけるスケートボード揺籃期について、サーフィンとの関わりや統括組織のあり方とその変化、またビジネス化やそれを目指すステークホルダーの諸関係などを検討し、当該時期のスケートボード文化の実相に迫ることを試みてきた。
本発表ではこれらの点を踏まえたうえで、当該時期のパークに関わる状況という側面に着目する。当時のパークとしては太東スケートボードセンター(現千葉県大東市)などが挙げられるが、少なくとも70年代後半には、都市部や郊外などにおいて、様々な背景や形態によって複数のパークやそれに類するものが設置、運営された形跡がある。そしてそこには当時のアメリカのスケートシーンや日本のレジャーを取り巻く状況などからの影響を含め、日本におけるスケートボード文化の性格との連関が垣間見られる。本発表ではとりわけ、管見の限りでは十全には注目されていない同時代の関西地区のパークに目を配り、当該時期の資料等から実態を明らかにすることを通じ、日本のスケートボード史の豊富化を目指す。なお各事例の詳細等については当日の発表で述べる。

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